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没後40年 髙島野十郎展ー光と闇、魂の軌跡

 

 

髙島野十郎(1890-1975)は「孤高の画家」「蝋燭の画家」として知られる久留米市出身の洋画家です。生前にはほとんどその存在が知られることはありませんでしたが、近年急速に評価が高まっています。単なる再現描写を超えた深い精神性を感じさせる作品の数々と、画家としての信念を貫いたその生き方は、今なお多くの人々を惹きつけてやみません。

明治23(1890)年、福岡県久留米市の酒造家の家に生まれた野十郎は、東京帝国大学農学部水産学科を首席で卒業するも、周囲の期待に反して、画家となる道を選びます。どの美術団体にも属せず、独学で絵画を研究し、家庭を持つことさえ望まず、超俗的な生活を送りながら、ひたすらに自らの理想とする絵画を追求しました。

本展は髙島野十郎の没後40年にあたって企画され、各地を巡回してきました。大反響を呼んだ本展が、このたび野十郎のふるさと筑後の地へ帰ってきます。《菜の花》や《桃とすもも》などの代表作を含む約150点をご紹介します。さらに、本館での展示では他館の巡回では出品されなかった全国初公開の作品もお披露目します。画家を育んだふるさと筑後の地で、髙島野十郎の奥深き絵画世界をじっくりと味わっていただける貴重な機会です。

展覧会

 

「没後40年 髙島野十郎展ー光と闇、魂の軌跡」

  • 会期:2016年8月7日(日)~9月22日(木・祝)
  • 開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
    ※9月17日のみ19:30まで(入場は19:00まで)
  • 会場:九州芸文館
  • 休館日:月曜日[ただし9月19日(月・祝)は開館、翌20日(火)休館]
  • 入場料:一般800円(600円)、高大生500円(300円)、小中生300円(100円)
    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※65歳以上の方は特別料金(500円)
    ※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている方およびその介助者は無料
  • 主催:九州芸文館美術展実行委員会、TNCテレビ西日本
  • 共催:西日本新聞社

※会期中に展示作品の入れ替えがあります。
前期:87日(日)~828日(日) 後期:830日(火)~922日(木・祝)

展示構成

1「初期作品ー理想に燃えて」

髙島野十郎は久留米市の裕福な酒造の家に生まれました。東京帝国大学農学部水産学科を首席で卒業後、画家となる道を選びました。本章では少年時代の作品や自画像、大正期に描かれた初期作品を展示します。

《けし》大正14年 三鷹市美術ギャラリー

《早春》大正10年 福岡県立美術館蔵

 

2「滞欧期ー心軽やかな異国体験」

野十郎は昭和5年(1930)から昭和8年までヨーロッパに滞在しました。パリを拠点にスコットランド、ベルギー、オランダ、イタリアなどを巡り、教会や美術館で古典絵画に触れ、風景を絵にしました。流れるような筆致で描かれた軽やかな雰囲気をもつ滞欧期の作品を展示します。

《小さき停車場》昭和5年 個人蔵

《ノートルダムとモンターニュ通》昭和7年 福岡県立美術館蔵

 

3「風景ー旅する画家」

野十郎は旅に出かけることが多く、各地の風景を作品に収めています。法隆寺や有明海など取材地の明確な作品もありますが、どこにでもありそうな山野の道や高原を描いた作品も多くあります。その場所をじっくりと見て歩き、四季や風景の細やかな部分まで描いています。本章では、ふるさと筑後の地を描いた作品を含む約50点の風景画を展示します。

《筑後川遠望》昭和24年頃 福岡県立美術館蔵

《法隆寺塔》昭和33年 個人蔵

《菜の花》昭和40年頃 個人蔵

 

4「静物ー小さな宇宙」

風景とならんで野十郎の画業となっている静物画作品を取り上げます。戦前期頃までは斜め上からの光線が作り出す陰影によって立体感と質感が強調されていましたが、しだいに光が全体を包み込み細部までが均等に克明に表現されていきます。仏教的思想のもとに細部までまなざしを注ぎ描かれた彼の静物画は「小さな宇宙」ともいうべきものです。

《からすうり》昭和23年以降 個人蔵 *前期のみ出品

《さくらんぼ》昭和32年個人蔵

《割れた皿》昭和33年頃 福岡県立美術館蔵

  

5「光と闇ー太陽 月 蝋燭」

野十郎の最も特徴的な作品として知られる蝋燭、月、太陽を描いた連作を展示します。これらの光と闇をめぐるテーマは野十郎の生涯にわたり追及されたテーマで、彼の真骨頂と呼べる作品群です。

《太陽》昭和50年 個人蔵

《満月》昭和38年頃 東京大学医科学研究所

《蠟燭》大正時代 福岡県立美術館蔵

 

展示作品の入替え

下記の通り、展示作品の入替えがあります。

 前期のみ展示:8月7日(日)〜8月28日(日)
《晴と曇》昭和23年 個人蔵
《雪の山辺》 昭和33年 個人蔵
《からすうり》 昭和23年以降 個人蔵
《月の出》 昭和16年 個人蔵
《蠟燭》 制作年不詳 個人蔵
《蠟燭》 昭和10年 個人蔵

 

後期のみ展示:8月30日(火)〜9月22日(木・祝)
《静水浄華》昭和26年 個人蔵
《コスモス》 昭和23-34年 個人蔵
《ぶどうと洋梨》 昭和26年 個人蔵
《月》 昭和36年以降 福岡県立美術館
《蠟燭》 制作年不詳 個人蔵
《蠟燭》 戦前期 個人蔵

 

関連イベント

 

(1) 講演会

「野十郎的生き方について」 ※終了しました。

 

「孤高の画家」として紹介される野十郎の生活や画業が、今の私たちに教えてくれるメッセージを探ります。

講 師:西本匡伸(福岡県立美術館副館長)
日 時:8月11日(木・祝)14:00~15:30
会 場:教室工房3・4
参加無料
定 員:80名(先着順・要申込)

 

 

(2) ワークショップ1

「ろうそくのおくりもの」 ※終了しました。

大切な人への贈り物としてろうそくの絵を描いた野十郎のように、誰かにプレゼントするためのろうそくと、ろうそく立てを作ります。櫨蝋、蜜蝋、パラフィン蝋を使ったカラフルでかわいいろうそく作りに挑戦してみませんか。

講 師:牛島智子(美術家)
日 時:8月14日(日)14:00~16:00(13:30受付開始)
会 場:教室工房3・4
参加費:500円
定 員:20名(先着順・要申込)※小学生以下は保護者同伴
協 力:独楽工房 隈本木工所

 

 

(3) 野十郎を知るシリーズ1

レクチャー「野十郎の絵画を読み解く10のキーワード」  ※終了しました。

講師:高山百合(福岡県立美術館学芸員)
日 時:8月28日(日) 14:00~15:30
会 場:教室工房3・4
参加無料
定 員:80名(先着順・要申込)

 

 

(4) ワークショップ2

「野十郎みたいな絵を描こう!」 ※終了しました。

不透明水彩絵具(アクリル絵具)を使って写真を見ながら野十郎の描いた筑後の風景を描きます。初心者の方も大歓迎です。完成した作品は展覧会会期中九州芸文館にて展示します。 

講 師:小木曽誠(佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授)
日 時:9月4日(日) 10:00~16:00(9:30受付開始)
会 場:教室工房3・4
参加費:500円
定 員:30名(先着順・要申込)
持ってくるもの:筆、鉛筆、昼食、お持ちの方は不透明水彩絵具(アクリル絵具)
※写真は主催者が用意します。
※汚れてもよい服装でお越しください。

 

 

(5) バスツアー

「野十郎の故郷を巡る」 ※終了しました。

展覧会鑑賞後、野十郎の母校や作品を描いた場所など、野十郎ゆかりの地を訪ねます。

日 時:9月6日(火)9:30集合 15:40解散
参加費:4000円
定 員:25名
集合・解散:九州芸文館
旅行企画・実施:筑後観光バス
要申込・先着順
申込締切:※定員に達ししだい締め切ります。

 

 

(6) 野十郎を知るシリーズ2

ギャラリートーク「描き手の目で見る野十郎絵画」※終了しました。

写実的作風で知られる洋画家、小木曽誠が、絵画技法についてなど画家ならではの視点から野十郎の作品について語るギャラリートークを行います。

講 師:小木曽誠(佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授)
日 時:9月11日(日) 10:00~11:00
会 場:展覧会場
申込不要・参加無料 ※ただし本展入場券が必要です。

 

 

(7) アクロス・ミュージアムコンサート 

 

野十郎の命日にあわせ、木管四重奏のコンサートを開きます。中秋の名月の昇る宵、木管楽器の奏でる深く豊かな音色をお楽しみください。

出 演:フルート/安部あゆみ、オーボエ/桐谷美貴子、クラリネット/小田美代子、ファゴット/浦野さやか
日 時:9月17日(土) 17:30~18:30  
会 場:カフェ芸術の森(九州芸文館内)  
申込不要・参加無料
定 員:60名(先着順・申込不要)
主 催:(公財)アクロス福岡

※9月17日(土)のみ展覧会開場時間を19:30まで延長します!

 

 

(8) 学芸員によるギャラリートーク

日 時:8月23日(火)/9月13日(火) 14:00~14:30
場 所:展覧会場
申込不要・参加無料 ※ただし本展入場券が必要です。

 

お問合せ・お申込み先

(5) 筑後観光バス:電話(0942-52-3511)